すな粉妄想日記

トールは、頭を抱えていた。

時計に目をやると１１時を回っている。

もう床に着いても良いくらいだ。

隣では、弟のユーゴが黙ったまま
読書に耽っている。

（……困った…）

どうやら今日も、弟は自分と一緒に
寝るつもりのようだ。

（どうしたものか？）

トールは大きく溜息をついた。

ユーゴと一緒に寝る……

幼い時は当たり前の事だったのだが。

ある日、唐突に自覚してしまった。

月明かりの中…弟の寝顔を見た時に。

肌蹴た毛布を掛けなおしてやろうと
ユーゴの姿を覗き込んだその瞬間…

『……！』

鼓動が激しく高鳴った。

あまりに愛らしい弟の寝顔に。

無防備な寝顔が月光に照らされて、
何ともいえない色気が漂っていた。

それからだ。

妙に、弟を意識してしまうようになったのは。

最初は気の迷いだと思っていた。

いや…思い込もうとした。

しかし、違った。

次にユーゴと一緒に
ベッドに入った時…

トールは一晩中、興奮が止まらなかった。

下腹部に熱が集まり、睡眠の邪魔をした。

処理しようにも隣に弟がいてはそうもいかず。

熱く火照った体を持て余す羽目になった。

ようやく眠りについたのは、
空が白み始めた頃だった。

『うう……』

深刻すぎる問題だ。

実の弟に欲情するなど、
正気の沙汰ではないと分かっているが…

一緒に寝る度に無防備な姿を晒されては、
いずれ理性が崩壊してしまうかもしれない。

取り返しのつかなくなる前に
対処する必要があった。