すな粉妄想日記

「何ならこれを、トールに送っても良いが？」

「…な…っ！！」

ユーゴは愕然とする。

先日、兄が言い放った言葉が
たちまち脳裏に蘇った。

怒りと、そして軽蔑の交じった眼差し。

トールの口調は、これ以上ない程冷たいもので。

『もう２度と…あんな真似はするな』

それだけでも胸が張り裂けるくらい
辛い思いをしたのに。

こんなものを見られたら…

兄の反応を想像しただけで、
背筋が凍りついた。

「どう思うだろうな？君の兄上は…」

「や、止めてくれ！！」

泣きながら叫ぶユーゴを、
ダレスの冷ややかな視線が捕えた。

「どうやら…口の聞き方が分かっていないようだな？」

「…痛っ！！」

指先が強い力で身の奥を抉った。

「や…、いた…い…！！」

強引にもう１本捻じ込まれ、
ユーゴが悲痛な叫びを上げる。

「言いたい事があるのだろう？」

その耳元で意地悪くダレスが囁いた。

思うまま獲物を嬲り、愉しそうに。

「早くしないと…」

視線を携帯に移して焦りを誘う。

「う…、うぅっ…！…」

痛みに顔を歪めたユーゴは
荒い呼吸を繰り返す。

恥辱に身を震わせながら、
それでも必死で言葉を絞り出した。

「……お、お願い……」

身を切られるような思いで
ダレスに懇願する。

「止めて…下さい…」