すな粉妄想日記

ユーゴが連れて行かれたのは、
音楽室横の小部屋だった。

小さなオルガンと、楽譜が並んだ棚。

楽器もいくつか置いてある。

椅子に座るよう促され、
ユーゴはおずおずと腰を下ろした。

「さて…」

この獲物を、ダレスはまず
言葉で嬲ってやろうと試みた。

「君は優秀な生徒だと思っていたが」

猫が鼠を弄ぶように、

「まさか、こんなふしだらな真似をしているとはね」

蜘蛛が蝶に喰らいつくように、

「学校で…しかも実の兄と。
正気の沙汰とは思えん」

抗う術のない獲物をいたぶる。

侮蔑の言葉が容赦なく浴びせられた。

相手にとってはさぞかし
屈辱的なものだろう。

それでもユーゴは、視線を落としたまま
ダレスの嘲りを甘んじて受けていた。

一言も言い返す事なく、ひたすら沈黙を守って。

細い肩を微かに震わせ、
懸命に堪えているようだった。

しかし、

「本当なら、君達の父上に
知らせるべきだと思うのだが」

「……！！」

その台詞を耳にした途端、
一瞬にして顔色が変わった。

まるで体中から血の気が失せたように
真っ青になる。

「そ、それは…っ」

流石に声を上げた時、

「君次第だ」

抗議を遮って、
ダレスが目前まで歩み寄った。

「……っ…」

その雰囲気に気圧され、
ユーゴは小さく息を呑む。

ダレスは軽蔑を込めた眼差しで、
相手を見下ろした。

そしておもむろに
ズボンのベルトを外し、ジッパーを下げる。

欲望の象徴が露になった。

「！？」

驚きにユーゴが目を見張る。

「さあ」

そそり立つ自分のものを
ユーゴに晒しながら、ダレスは命じた。

「君の誠意を見せたまえ」