すな粉妄想日記

「ねえ…ユーゴ」

「？なんだ？」

「ちょっと…聞いてもらいたいんだけど」

そう前置きして、エポナが
相談を持ちかけてきた。

「ふうん」

珍しい事もあるものだと思いつつ、
ユーゴは軽く頷いて了承の意を示した。

「聞くのは構わないが、
役に立てるかどうかは分からないぞ」

「ああ、そんなたいした事じゃないから。ただ…」

そこで相手は言葉を切って、
考え込む素振りを見せる。

落ち着きなく視線を泳がせながら
照れくさそうにしていた。

「…？」

普通の感覚の少年ならば、
愛の告白を予感して
胸を高鳴らせるところだが…

生憎、ユーゴはそんな思考回路を
まるで持ち合わせていなかった。

そして実際、そんな話でもなかった。

しばらくためらった後、
エポナは決心したように
顔を上げると、こう告げた。

「もうすぐさ、兄貴の誕生日なんだ」