すな粉妄想日記

紅茶のカップを手にしたユーゴを、
ダルクはじっと見つめた。

年の離れた末の弟。

実のところ、この弟の事は
少なからず可愛いと思っている。

積極的に関わろうとする気はないが、
兄としての情はそれなりにある。

ちなみにやたらと絡んでくる
兄のダレスは大嫌いだ。

もう１人の弟トールは嫌いではないにしても、
自分とはおそらく波長が合わない。

その点、ユーゴは何となく
自分と似たような雰囲気があるし、
必要以上に接触してもこないので
好感が持てるのだ。

ゆっくりと紅茶を飲む弟に
視線を注ぎながら、ふとダルクは
昼間の兄の言葉を思い出した。

（ユーゴはトールとお楽しみ中でね）

あれは、どういう意味だったのだろうか。

その後のダレスの自分に対する行動を
考えてみると、２人の弟はそういう関係に
あるという事なのだろうか？

確かにトールは弟にやたらと甘いし、
精神的に未熟なユーゴは憧れと恋を
混同してもおかしくない。

「……」

基本的に自分以外の人間の行動など
気にも留めないダルクだった。

しかし、
弟２人が恋愛関係にある…

これには少しばかり興味を持った。

（ふむ…）

事実だとしても、若さ故の
稚拙な戯れのようなものだろうが…

ちょうど良い機会だ。

ダルクはユーゴに尋ねてみる事にした。

「ユーゴ」

兄の呼びかけに弟が顔を上げる。

「お前…、トールの事が好きなのか？」