すな粉妄想日記

「おいっ！！」

トールが２人の間に割って入った。

無理矢理、弟をダレスから引き剥がす。

「お前…ユーゴに何かしたのか」

トールはぎろり、とダレスを睨みつける。

「何か…？」

そんなトールに気圧される事なく、
相手は表情ひとつ変えずに答えた。

「ユーゴの様子がおかしいのは、お前のせいだろう！？」

「私の…？」

「そうだ。俺の弟に何をしたんだ！？」

トールの剣幕に、ダレスは
やれやれといった調子で肩を竦めた。

そしてふぅ…と息をつくと、

「何か、…か」

口元に妖しげな笑みを浮かべた。

「私はただ、ユーゴに告白しただけだ」

「告白…だと！？」

「そう。結婚の申し込みを」

「なっ…！？」

トールの顔から血の気が引いた。

予想を上回る返答だったようだ。

明らかに狼狽する相手の反応に、
ダレスは優越感を覚えたらしい。

「最初は断られると思ったのだが…」

勝ち誇った様子で、饒舌に語り始めた。

「驚いたのか恥ずかしかったのか、
頬を真っ赤に染めてね。まんざらでもない
様子だったから、愛を伝えるために私の部屋で…」

意気揚々とそこまで語った時、

「うわあああああああああああああ！！」

顔を真っ赤にして震えていたユーゴが、
唐突に雄叫びを上げた。

ファクトの眼が一気に増殖する。

同時に、もの凄い勢いで
トールの体が吹っ飛んで行った。