すな粉妄想日記

月明りに照らされた白い肌が、
透き通るように美しい。

涙で濡れた頬にそっと口付ける。

「………ん…」

微かな吐息が零れて、
ユーゴが小さく体を震わせた。

愛しい、と思う。

心の底からーこの弟を。

あの時……

まだ幼いユーゴの才能に
気づいてしまった時。

微かに、けれど確実に芽生えた感情。

最初は認めたくなかった。

年の離れた弟相手に
こんな思いを抱いてしまうなんて。

トールは悩んだ。

悩みに悩んだ末、決心した。

この黒い感情が、取り返しのつかなくなる前に…

「ユーゴ……」

トールは目前の相手を見つめる。

今はもうーただひたすらに、愛しい。

あの時、心の底に沈んでいた
嫉妬の感情は微塵もなかった。

「……兄さん」

縋るような弟の声。

細い腕が首に回され、吐息がかかる。

求められている事を深く感じて、
体の奥が疼き出す。

「ああ……」

トールも、相手を強く抱きしめる。

触れ合う肌が熱い。

狂おしい程の感情が
全身を駆け抜けていく。

それを全て伝えるには…
言葉だけでは、到底足りない。