すな粉妄想日記

「は？」

目を丸くするトール。

「あとは…そうだな」

キシュガルが続ける。

「『年下のくせに、生意気だ』とも言っていた」

「………」

「それと『態度がでかい』『素直じゃない』…」

「…………」

「他には…」

「ちょっと、待て」

さすがに動揺したトールは、
相手の言葉を遮った。

予想していたのとはまるで違う
発言の数々。

「その…、何だ？エポナは…」

正直トールが想像していたのは、

『あいつってちょっとかっこよくない？』

『けっこういいかも～、なんて思ってるんだよね』

のような、甘酸っぱい感情に満ちた
賞賛だった。

だ　が　し　か　し。

「うちの弟を、嫌っているのか？」

キシュガルからの情報では
とてもそんな状態ではないようだった。

「………さあな」

知った事かと言わんばかりの
そっけない答えが返ってくる。

トールはうなだれて肩を落とす。

何て事だ……

自慢の弟が、同世代の少女の支持を
まるで得られていないとは。

確かに愛想はあまりないし、
明るいとは言い難いが…

そこがまた可愛いと思っていた。

気は利く方だし、
何だかんだ言っても優しい。

そこでトールは、１つの結論を出した。

（エポナは誤解している…！！）