すな粉妄想日記

「っ！？な…、何のつもりだ！？」

ユーゴは心底驚いた様子で
目前の兄を見た。

こんな夜更けに突然
部屋にやって来たかと思ったら。

許可もしていないのに、
人のベッドにもぐり込んで。

「今夜は、クリスマスだよな」

唐突にそんな事を言って。

そして、

いきなり唇を奪われた。

今まで口付けは何度も交していたが、
同意なしにされたのは初めてだった。

そのまま、
自分の上に覆い被さって来る。

「ま、待て…！！」

ユーゴは必死の思いで
兄の体を押し退けた。

兄にとっては弟の抵抗など
全く意味をなさないのだが、
トールは素直に体を離した。

何が可笑しいのか、
いたずらっぽく微笑んでいる。

「一体、どういうつもりなんだ！！」

気恥ずかしさに頬を上気させながら、
それを誤魔化すように叫ぶ。

「だから…プレゼントをもらいに」

「…は？」

見当違いの答えに、
思わずぽかんと口を開けた。

「クリスマスのプレゼントをもらいに来たんだ」

兄の言葉の意味がまるで分からず、
ひたすら困惑するだけだった。

そんな弟の様子を見て、
トールが楽しそうに告げた。

「皆まで言わせる気か？」

ユーゴの顔を挟んで、
愛しそうな視線を注ぐ。

「お前が、欲しいんだ」