すな粉妄想日記

「…っ！」

腰から下腹部へと舌を這わせると、
ユーゴが息を呑むのが判った。

トールは一旦身を起こして
弟の顔を覗き込む。

不安と恐怖の色が、
涙で滲む瞳に浮かんでいる。

それを見ると
胸の奥がちくりと罪悪感で
痛むのを感じた。

「大丈夫だ、ユーゴ…」

優しく声をかけながら、
頬に手を当てる。

兄の手が触れた瞬間、
ユーゴはびく、と身を竦めた。

震えているのが手の平を通して
トールに伝わってくる。

「ユーゴ」

もう一度、愛しさを込めて名前を呼ぶ。

そのままゆっくりと
柔らかな頬を撫でてやる。

ユーゴを、
欲望のはけ口にしたい訳ではない。

できれば傷つけたくない。

けれども。

「…愛しているんだ、お前を」

許しを請うように言葉を紡ぐ。

「だから…」

心も、身体も全部
自分のものにしたい。

弟の全てを愛したい。

それは狂おしい程の
欲望だった。

もう自分でも
どうする事もできない位の。

「…お前が、欲しいんだ」