すな粉妄想日記

（これで、最後にしよう）

幾度そう誓った事か。

…………

ユーゴの腰に手を掛け、
一気に奥まで貫く。

「…っ、ああ！！」

華奢な肢体を大きく仰け反らせながら、
ユーゴが悲鳴を上げた。

熱い疼きを伴った中心が、
欲望に震える。

弟の中を深々と抉り、
ひたすら快感を貪った。

「う、ぁ…！」

涙交じりの、艶めいた喘ぎ声。

それが耳に心地良く響いて、
更に劣情を刺激する。

「はぁ…っ、あ、…」

この体を抱くのは、
もう何度目になるだろうか。

最初の頃、ユーゴは痛がって
ただ泣き叫ぶだけだった。

しかし、繰り返すうちに
体は快感を覚えていく。

唇から漏れる声が、色気と悦びを
帯びるようになった。

けれども。

俺には、わかっている。

ユーゴが、こんな行為を望んでいない事を。

背徳と恥辱にまみれた、兄との情交など…

「あ、…に、兄さ…っ！」

激しく腰を打ち付けられて、
ユーゴは切なそうに俺を呼んだ。

自分を辱めている、兄の名を。

（ユーゴ…）

思わず唇を噛み締める。

俺は、弟の心を踏みにじっているのだ。

俺を慕うユーゴの気持ちにつけ込んで、
兄としてあるまじき行為に及んでいる。

「……っ、」

罪悪感に苛まれる度に、
これで最後にするからと
その場限りの誓いで誤魔化してきた。

「トール…兄さん…！！」

ユーゴの悲痛な叫びが部屋中に響く。

中心が熱を増し、限界を迎える。

「…ユーゴ…！！」

俺は弟の体を抱きしめ、
ありったけの欲望を吐き出した。

「は、ぁ…」

全身から一気に力が抜けていく。

お互いの鼓動と息遣いだけが、
耳にする音の全てだった。

愛しい。

愛しくて、たまらない。

大切な、俺のユーゴ…

心の底からそう思っている。

なのにまた、こうして俺は
罪を重ねてしまう。

繰り返し…いつまでも。