すな粉妄想日記

露になった肌に、ひやりと冷たい金属の感触。

「………っ！」

それが凶器である事を理解して、
ユーゴは思わず息を呑む。

兄の両手に禍々しく装着された鉤爪。

ゆっくりと肌の上を滑っていく。

傷こそつけられないものの、
鋭い刃が嫌でも恐怖心を駆り立てる。

ユーゴは息を詰めて身を硬くした。

不安で不安でたまらなかった。

その爪が、いつ肌に食い込むのかと。

一秒が永遠にも感じられる時間……

しばらく彷徨った後、
ようやくトールの手の動きが止まった。

「！？」

鉤爪が触れている先は、胸の先端。

敏感な突起部分だった。

「……ぅ……、！……」

奇妙な感覚に、ユーゴは呻き声を漏らす。

びく、と体が震える。

どうしてそんなところを……

不審に思ったその瞬間、

「ひっ！？」

突然の強烈な刺激。

空いた方の突起を、
兄が口できつく吸い上げたのだ。

「あ、やあぁっ！！」

それはあまりに衝撃的で。

ユーゴの唇から嬌声がほとばしる。

圧倒的な感覚が、
全身を電撃のように貫いていく。

「あぅっ…！！」

もう片方にも、硬い爪先が軽く食い込み、
また別の刺激を与えてくる。

「い…、いや……っ」

ユーゴはたまらず身を捩っった。

両方から異なる愛撫を受けて、
快感が津波のように押し寄せる。

頭の中は混乱を極めた。

どうしてこんな……

兄は、自分を殺す気ではなかったのか？

それとも……

「っ、あ！！」

思考が中断され、
びくん、と背中が仰け反る。

兄の愛撫が一層、濃厚さを増して
ユーゴを責め立ててきた。

ぬめりを帯びた舌の感触、
冷たく硬い爪の感触。

それぞれが小さな突起に
鮮烈な刺激を与え続ける。

「や……、止めて…止めて！！」

ユーゴの悲鳴に、涙が交じり始めた。