すな粉妄想日記

相手に気づかれないように、
携帯電話を手に取る。

そのまま電話帳から発信すると…

「…ユーゴか！？」

目的の相手は、予想外の素早さで
言葉を返してきた。

私は何も言わず、
携帯をそっとベッド脇のテーブルに置く。

「ユーゴ…？おい…！！」

ひどく焦った声が聞こえる。

「……？」

それに気がついたのか、
ユーゴがうっすらと目を開けた。

（なに…を…？）

言葉の代わりに、涙ぐんだ瞳が問いかけてくる。

まだ悟られては面白くない。

私は、彼の気を逸らすため
再び続きを始めた。

「あ、あんっ！！」

ユーゴが叫ぶ。

指先を更に奥へと進め、
中をまさぐる。

「や…っ、ダレスっ…、」

涙交じりの嬌声が部屋中に響いた。

携帯の向こう側にも届くはずだ。

トールがしきりに騒いでいるようだが、
ユーゴはもう気づかないだろう。

意識は快楽の海に溺れて、
ひたすら流されてゆくだけ。

思い知るがいい、トール。

「……ん…、くぅ…」

ユーゴは私のものだという事を。

「あ、はぁっ！！」

しなやかな肢体を捩じらせて
喘ぐ姿は、これ以上ない位に官能的だった。

見せてやれないのが残念だ。

私は、自分の中の嗜虐心が
満たされてゆくのを実感する。

実に心地良い。

さあ…ユーゴ。

お楽しみはこれからだ。