すな粉妄想日記

お前の事は好きだ、決して嫌いになった訳じゃない。
しかし一緒に寝るのはそろそろ止めにしないか…

そんな風に告げるつもりだった。

最初に愛情が継続している事を強調したし、
後半の台詞を真剣に強く言えば、
押し切られる事もないだろう。

（よし…）

言葉を続けようとして、
トールは思わず息を呑んだ。

「…？」

弟が、全く予想外の反応を見せていたからだ。

（なっ……）

訝しそうな表情が一変し、
顔が耳まで真っ赤に染まっている。

（こ、これは…）

トールの心臓がどくん、と激しく脈打つ。

その表情はまさしく、好きな相手から
告白を受けた時のそれであった。

ユーゴは俯いたまま、
恥ずかしそうにもじもじしていたが…

何か言いた気に視線をちら、と
投げて寄こした。

（う…！！）

血圧が一気に上昇していく。

くらり、と眩暈を覚える。

そして僅かな沈黙の後…

「……僕も」

弟の唇から微かな声が発せられる。

本当にか細く…小さな呟きが。

「僕も…、兄さんが好きだ」

体を震わせながら、ユーゴは
顔を上げて兄を見つめた。