すな粉妄想日記

「……ん…」

ベッドの上で、ユーゴは
意識を取り戻した。

頭の中に霞がかかったように
ぼんやりとしている。

（僕は……）

何をしていたんだろうか、と
思考を巡らせた時、
鈍い痛みが下腹部に走った。

「つっ…！？」

思わず呻き声を漏らす。

それはユーゴが良く知った感覚で。

幾度も経験した痛みだった。

恋人に、ダレスに…抱かれる度に。

相手を受け入れた後も残る、
異物感に伴う苦痛。

初めの頃よりはだいぶましになったが、
それでも事後はこうなるのが常だった。

最中は快楽の方が勝るので、
行為自体は拒否できない。

内心、不公平だと思うが
どうにもならなかった。

ダレスと立場を逆転させるなど
到底不可能だから。

「………うぅ……」

鈍痛に加えて全身が重い。

最悪の状態だった。

どうやら、自分は眠っている間に
あれをされたらしい。

よく目が覚めなかったものだと
首を傾げたが……

それよりも、人の意識がない時に
勝手にあんな事をするなんて。

ユーゴは静かに怒りを覚える。

恋人は気紛れで、何を考えているのか
理解できないところがあった。

そしてそれは年齢差からくるものと
認識していた。

ダレスに比べて、自分はまだ
幼すぎるのだろうと……

しかし、この仕打ちは酷い。

勝手に体を弄ばれたとあっては、
腹が立つのも当然だ。

ユーゴは痛みを堪えながら、
ゆっくりとベッドから身を起こした。