すな粉妄想日記

…これは夢？

…それとも現実？

ぼんやりとユーゴは考えた。

（…どっちでもいいか…）

早々と思考を放棄する。

これが夢だろうと、現実だろうと
たいして違いはないのだから。

いや…体の負担が残らないだけ
夢の方がましだろうか。

「どうした？」

兄の言葉が、ユーゴの意識を引き戻す。

大きな手の平が頬を撫でている。

幼子をあやすような仕草だ。

最も、今している行為は
そんな微笑ましいものとは程遠いが。

「……別に」

答えるのも億劫で、
ユーゴは投げやりに返事をした。

「つれないな」

が、兄は全く意に介さず、
苦笑を浮かべただけだった。

「……！…ん」

下腹部に軽い刺激を感じて
微かに吐息を漏らした。

兄のもう片方の手が、
股間をまさぐっている。

「もう、硬くなってるぞ」

望もうと望むまいと、
触れられれば体は素直に反応する。

いくらユーゴが抵抗しても
空しい徒労に終わるのだ。

同性なのが災いして、
弱い所は熟知されている。

結局、兄の思惑通りに痴態を晒す。

だから、ユーゴは諦めた。

現実も夢も……終わらない。