すな粉妄想日記

暗闇から腕が伸びてきて、
体を押さえ付けられる。

口も塞がれ、声すら出せずに。

「……！？」

何が起こったのか、
全く理解できなかった。

「ユーゴ」

真っ暗な中から、
聞き慣れた声がした。

「…大人しくしていろ」

兄の声だった。

ユーゴはひどく動揺する。

どうして、兄が…？

「…！？」

その手が体をまさぐり、
寝間着を脱がし始めた。

反射的に抵抗しようとして、愕然とする。

いつの間にか
両手を縛り上げられていた。

どうする事もできない。

兄は一体…何を考えているのか。

恐怖と困惑で、ユーゴは身を震わせる。

「……っ、！…」

首筋に奇妙な感触を覚え、
思わず息を呑む。

僅かに湿り気を帯びたそれは…
兄の唇だった。

（…兄さん…！？）

トールの舌がゆっくりと滑っていく。

（い、いやだ…！）

ユーゴはようやく、
兄の意図を理解した。

兄は…トールは……

「！」

突然、思いもよらない刺激が
体を貫く。

「…、……！！」

たまらず背中を仰け反らせ、
声にならない悲鳴を上げる。

間違いない。

兄は…自分を抱こうとしている。

兄弟なのに。

男同士なのに。

何故、どうして……

いくつもの疑問が頭に渦巻く。

しかし、考えても分かるはずがない。

（…兄…さん…！！）

そして今夜。

ユーゴは初めて兄に犯された。