すな粉妄想日記

それは全く唐突な出来事だった。

いつものように警護の役を終えて、
何気ない雑談をしていた時の事。

「聞いてくれ、トール」

ガレオンが真剣な口調で、こう告げた。

「お前の事が…好きだ」

「…！？」

突然の告白―それも同性から―に、
トールはひどく面食らった。

一瞬、聞き間違いかと思ったが
そうではない。

目の前の相手から「好きだ」と言われたのだ。

戸惑いながらも、頭の中で状況を整理しようと試みる。

今、ガレオンが口にした「好き」の意味は、
単に同僚として、もしくは友人として好ましい…
というものではないだろう。

にわかには信じ難いが、相手の真剣さから察するに
恋愛対象として好意を持っている…という事ではないか。

しかしそれを理解した所で、トールは
どう返事をすれば良いのか分からない。

そもそも告白自体される事自体、初めてだった。

「………」

黙ったまま、あれこれ思考を巡らせていると、

「…すまない」

沈黙に耐えかねたのか、ガレオンが申し訳なさそうに言った。

「突然、こんな事を言われても迷惑だろう」

俯いて目を伏せる。

「だが俺自身…どうしても伝えておきたかったんだ」