すな粉妄想日記

解放された兄の欲望を、
ユーゴは口内に受け止める。

青臭くて苦い味が広がった。

しかし、不快だとは思わない。

「………ん、…」

大量に溢れ出たそれを
全て飲み込もうと試みる。

白い液体が口端から零れ出す。

今、ユーゴの心はこれ以上ないほどの
充足感で満たされていた。

兄の全てを支配したかのような感覚に
囚われて…

「はぁ……、ぁ……」

トールはぐったりしながら、
荒い呼吸を繰り返していた。

「……ユーゴ…」

その手が静かに伸ばされ、
ユーゴの髪に触れる。

指先が優しく頭を撫でていく。

まるで、子供の頃のように…

幼い頃の自分と兄の姿が、脳裏に蘇る。

「…兄さん…」

胸の奥が熱くなり、ユーゴは顔を上げて
兄を見た。

兄もまた、自分を見つめていた。

お互いの視線が絡み合う。

どちらからともなく腕を伸ばして
相手の背中に回し、そのまま強く抱きしめる。

「ユーゴ……」

首筋に唇を寄せて、トールが囁く。

「今度は……俺の番だ」