すな粉妄想日記

「おい、ダレス…っ！！」

困惑したトールが声を上げる。

ソファの上に押し倒され、
にっちもさっちもいかない状態で。

ダレスは楽しそうな笑みを浮かべ、
恋人に告げた。

「この間の埋め合わせを、してくれるのだろう？」

「うっ……」

トールは返答に詰まって
口をもごもごさせる。

そう言われると、返す言葉がない。

恋人との時間をふいにしてしまったのだから。

許してもらえるチャンスがあるだけ、
感謝せねばならないところだ。

「し、しかしだな」

口ごもるトールに、
ダレスが追い討ちをかける。

「弟君には、もう連絡しておいた」

「……何！？」

退路は絶った。

ぬかりはない。

「君の携帯から、だ。その方が話が早いと思ってね」

「お前っ…勝手に！！」

「礼儀正しくて、好感が持てるな。君の弟は」

これは効果てきめんだった。

弟を褒められると、ブラコントールは
あっさり篭絡してしまう。

「……む…」

まだ煮え切らない様子だが、
抵抗が弱まる。

「では早速、始めさせてもらおう」

言うが早いか、ダレスは
相手の上に覆い被さった。

肩口から銀の髪がはらりと零れて、
トールの頬に落ちる。

「ま、待て…ダレス…、んっ…！！」

その言葉はもうそれ以上、
続ける事はできなかった。