すな粉妄想日記

長い髪を揺らせながら颯爽と
歩いて来たのは、他ならぬダレスだった。

その姿を目にした途端、
ユーゴが顔色をさっと変える。

「随分と騒がしいようだが」

相も変わらずの穏やかな微笑み。

「このっ…！！」

まるで悪びれない態度に、
ユーゴの怒りが爆発した。

もの凄い勢いで駆け寄ると、
乱暴にダレスの胸ぐらを掴む。

「よくも…、よくもっ……！！」

怒りのため声がわなないている。

が、そんなユーゴを目の前にしても
ダレスの態度に変化はなかった。

「おやおや」

むしろ楽しげな様子で目を細める。

「私が何か…したのかな？」

「～～～っ！！」

ユーゴは絶句した。

あれだけの事をしておいて、この台詞…

本当になんとも思っていないのか。

一体どういう神経をしているのだ。

「あんたはっ…、…」

驚愕のあまり二の句が継げずにいると、
細い指先がすっ、と伸びてきた。

「！？」

それがユーゴの頬に優しく触れる。

「な…！！」

「どうやら…」

ダレスは告げた。

「お気に召さなかったようだね」