すな粉妄想日記

ダレスに体を弄ばれながら、
ユーゴの記憶は父との情事を
思い起こしていた。

真夜中に父の部屋で
行われた、おぞましい背徳の行為。

『いや、嫌です…！』

ほとんど悲鳴に近い声で
ユーゴは懇願した。

『父上っ…！！』

けれどもそれが聞き届けられる
はずもなく。

『っ、ああ…！！』

体中をまさぐられ、心を蹂躙されて。

嫌悪感から吐き気を覚えた。

必死の訴えにもかかわらず、
父の手は止まらなかった。

『いやだ……』

幾度も幾度も、繰り返される調教。

強制的に快楽を刻み込まれた。

結果、肉体は痛みの向こうに
快感を求めるようになった。

嫌でたまらないのに
ひと度、行為を始められると
恨めしい程敏感に反応した。

「…は、…ぁ…」

そうして今もまた。

ユーゴは望まぬ快楽に
身を堕とそうとしている。

いや、もう既に堕ちていた。

意識の全てが悦楽を求めていた。

「…っ、あぁ…！！」

敵対すべき人間を、
相手にしているというのに。