すな粉妄想日記

ベッドに入ると、すぐさまユーゴが
抱きついてきた。

「……！！」

トールの鼓動が跳ね上がる。

「ユ、ユーゴ…」

上擦った声で呼ぶと、
弟は胸に顔を埋めながら囁いた。

「…ありがとう、兄さん」

「え？」

「気を遣ってくれたんだろ？
……僕に」

思いもしない言葉に
トールは驚いてユーゴを見る。

ぼんやりとした月明かりの中、
大人びた少年の顔がそこにはあった。

「最近…僕を子供扱いしなくなっただろ」

はっと胸を衝かれた。

気づいていたのか……

何となく照れ臭いような、
くすぐったいような感情が芽生える。

同時に、弟への愛しさも増して。

熱いものが込み上げて来た。

「今まで…知らずにお前を傷つけていたからな」

ユーゴの劣等感を考え、
トールは本心からそう告げた。