すな粉妄想日記

そこから、トールの弟賞賛大会が始まった。

いかにユーゴが優秀で、素晴らしくて、
魅力があるか…

トールは実例を挙げながら熱っぽく語った。

「あの時、ユーゴは」

「こんな事を思いついてだな」

「可愛いったらない」

キシュガルは仏頂面のまま、
律儀にその演説を聴いていた。

が、いつまでたっても
止まる様子がないのを見ると、
さすがにうんざりした表情になった。

「まだまだあるぞ。あとは…」

「…もういい」

溜息と同時にそう言って、
付き合ってられん、とばかりに頭を振る。

聞く相手を間違えた…と
今更ながら後悔した。

「分かってくれたか？」

それを勘違いしたトールが
目を輝かせて尋ねてくる。

「……ああ」

心底呆れつつも、
これ以上付き合うのが面倒臭くなって
キシュガルは適当に返事を返した。