すな粉妄想日記

唇が触れるのを感じて、
ユーゴは僅かに身を竦める。

同じ行為でも、自分からするのとは全く違う。

その感覚の差に翻弄されながらも、
兄に抱かれているという事実に胸が高鳴った。

（トール…兄さん…）

しかし、甘やかな時間はすぐに終わりを告げる。

「…！？」

突然、唇を割って舌が侵入して来た。

強引に口内をまさぐり、ユーゴの舌を絡めとる。

「う、っ…ん…！！」

それはあまりにも強烈な刺激だった。

貪るように求めてくる深い口付け。

唇を重ねる事さえ初めてだというのに…

「っ…、」

激しい感覚に、ユーゴはひどく戸惑った。

兄の舌が、容赦なく口内を蹂躙する。

背中にぞくぞくとしたものが走り、
思わず兄の腕を掴む。

だが、トールはまるで意に介さない。

そこにいるのは、
いつもの優しい兄ではなかった。

欲望を剥き出しにした姿を目の当たりにして、
ユーゴは今更ながら恐怖を覚える。

けれどもこれは、自分が望んだ事なのだ。

「ん、く…」

きつく目を閉じて、
必死にそれを受け入れようと試みた。