すな粉妄想日記

「どうって……」

弟からの質問に、トールは戸惑いを隠せず口籠る。

どうして突然こんな事に興味を持ち始めたのか…

理由は簡単に想像できた。

彼の友人―ダレスのせいだろう。

弟とダレスが交友を持つようになってから、
ユーゴの態度に微妙な変化が見られたのだ。

複雑な心境だった。

確かにもう、関心を持ってもおかしくない歳ではあるのだが…

それが自分の友人へ向けられているのではという懸念を
抱かずにいられなかった。

「ごめん、兄さん」

トールは我に返る。

「言いたくなければ、無理にとは言わないから…」

兄の沈黙をそう解釈したのだろう、
ユーゴは申し訳なさそうな表情を浮かべていた。

「あ、いや、…そういう訳じゃない」

慌てて否定したものの、確かに言い難いといえば言い難い。

しかし弟の質問にはきちんと答えてやるつもりだった。

トールは大急ぎで記憶を辿る。

初めてそれを体験した時、
つまり告白というものをされた時……

最初に起こった感情は、激しい戸惑いだった。