すな粉妄想日記

「兄として…尊敬しています」

少し考えた後、ユーゴはそう返事をした。

好きな所ならば幾つでも思いつく。

しかしそれを口にしてしまうと、
どれだけ兄を好いているか分かってしまう。

相手が兄の友人という事実もあるせいで、
やはり、どこかしら気恥ずかしい気がした。

話した内容がおそらく全て
トール本人に伝わる事も予想できる。

それはそれで、非常に照れ臭い。

きっと他愛のない質問のつもりなのだろうし、
できるだけ控えめにしておこうと考えた。

「僕の…目標でもあります」

が、緊張も手伝って声が上ずってしまったのに気づき、
微かに頬を赤らめる。

そんなユーゴの様子を見ながら、
ダレスが静かな声で尋ねてきた。

「…本当に？」

「え？」

ユーゴは気がつかなかった。

「本当に…それだけかな？」

彼の瞳の奥で、妖しげな光が揺らめいた事に…