すな粉妄想日記

ベッドに潜り込んだ後も、
僕の心臓は高鳴りっ放しだった。

今にも破裂するんじゃないかと思うくらいに。

もう兄さんが来る心配がなさそうだと
判断しても、それは収まらなくて。

……理由は……

ついさっき、本当に事故で
目にしてしまった、兄さんの姿。

ドアから漏れる僅かな明かりの中でも、
僕には分かってしまった。

兄さんが……何をしているか。

荒い息遣い、軋むベッドの音。

兄さんの手が掴んでいたものは……

そこまで思い返した時、
僕は全身が熱くなる気がした。

奇妙な疼きにも似た感覚が
浮かんでくる。

兄さんは……

兄さんは、自分を慰めていたんだ。

自分の手で。

そうすると、ものすごく…気持ち良くなるんだ。

知識として知ってはいたけれど、
僕はまだそれをした事はない。

特にしたいとも思わなかったから。

でも、今……

体の奥が熱い。

疼きがどんどん強くなる。

兄さんも、こんな気持ちだったのかな。

僕は小さく息を呑むと、
そっと手を下腹部に伸ばした。