すな粉妄想日記

ああ…と心の底で深い吐息を漏らす。

そこには紛れもなく、喜びが含まれていた。

ずっと抑圧されてきた欲望を解き放つ快感……

ギリギリのところで踏み止まっていた
理性と罪悪感は既にない。

剥き出しの本能だけがひたすら、
自分を突き動かしてゆく。

「…、あ……！！」

衣服を剥ぎ取られたユーゴが
小さく悲鳴を上げる。

再会したばかりの時の強気さは
完全に消え去っていた。

抵抗する様子もなく、ただ小柄な身体を震わせるだけ。

その碧い瞳は、戸惑いと怯えの色を浮かべながら
変わり果てた兄の姿を映し出していた。

ふと、今の自分は、どんな姿に
見えているのだろうという考えが頭をよぎる。

そして昔の自分は、弟にとって、
いかなる存在であったのか…

『トール兄さん』

まだ幼かった弟の、
純粋な好意と信頼のこもった呼び声。

家を飛び出してからはもう、
それを聞く事は叶わなかった。

そしてこれからも…
二度と再び、耳にする事はないのだろう。