すな粉妄想日記

トールは渇望していた。

狂おしい程に、熱望していた。

欲しい。

ユーゴが、欲しい。

溢れ出す欲望に駆り立てられるまま、
トールは弟の体をひたすら貪った。

白い肌に唇を押し当て、
所有の証を刻みつける。

自分のものだと証明するために。

弟が快感を得ている姿は、
たまらなく愛おしかった。

もし、全力で拒絶されていたら……

ユーゴの体が微塵も反応しなかったら……

あるいは諦めていたかもしれない。

今までどおり、この想いに蓋をして。

胸の奥に閉じ込めて。

けれども。

弟は、トールが与える
悦楽に溺れた。

艶めいた喘ぎを漏らし、体を震わせて。

そして……欲望を解放した。

ぐったりとしたユーゴが、
荒い息をしながら見つめてきた時。

その瞳で訴えているように思えた。

トールにとって都合の良い解釈かもしれないが……

弟も自分を求めているのだと、
そんな風に感じたのだ。

だから、

「…欲しい」

だから、望んだ。

「お前が…欲しい」