すな粉妄想日記

「いつも考えているんだ」

金色の髪が零れて、トールの頬に触れる。

「今、僕を抱いているのが兄さんだったら…」

そう言いながら、ユーゴは兄の指に
自分の指を絡めた。

「僕に触れている指が…兄さんのだったらって」

トールは心臓が破裂するのではないかと
思う位に動揺する。

冷や汗が背中を伝う感触に
思わず身震いした。

ユーゴの顔が一段と近くなる。

唇と唇が触れそうになった
その時、

「…！」

トールは気づいた。

弟の身体が僅かに震えている事に。

（…ユーゴ…）

自分に覆い被さっている弟の顔を見つめる。

そして、瞬時に理解した。

（ユーゴは…
あの行為を受け入れていたんじゃない）

幼さを残した少年の顔立ち。

欲望の対象にするにはまだまだ子供だ。

にもかかわらず、、
実の父との性行為を強要されていた弟…

（受け入れるしか、なかったんだ）

トールは腕をユーゴの背中に回すと、
そのまま力一杯抱きしめた。

弟の身体が、びくりと震える。

「…すまなかった」