すな粉妄想日記

どうしてこんな事になったのだろう？

目前に迫る同僚の顔を見ながら、
トールは困惑していた。

自分の迂闊さ、不注意さを心底呪ったが、
今更どうなるものでもない。

とにかくこの状況を
どう切り抜けるかが大問題だった。

「トール」

聞き慣れたはずの声が真剣みを帯びて、
まるで別人のもののように響く。

「俺は…本気だぞ」

「……っ」

その必死な様子を見て、
トールは思わず息を呑む。

鼓動が高鳴る。

全身が熱くなり、
頬が紅潮するのがわかった。

それが羞恥のためなのか、
相手の告白による動揺のためなのか…

「ガ、ガレオン…」

やっとの思いで発した声は
緊張のあまり掠れていた。

この武骨な、自分と同じような類の友人が、
何を考えてこうしているのか…

そして自分はどう答えるべきなのか。

吐息がかかるほどの距離にあって、
トールの頭は混乱を極めるばかりだった。