すな粉妄想日記

「………あ…！」

敏感な場所をまさぐられ、
ユーゴはたまらず吐息を漏らす。

「くっ……、」

嫌でも反応してしまう自分に
苛立ちを覚え、唇をきつく噛みしめる。

しかしどんなに心が拒んでも、体はそれを許さない。

兄から与えられる刺激は
少年にとってあまりにも強烈すぎた。

這い回る指の感触が生々しい。

濃密な愛撫を受けながら、
今まで見てきた兄の姿を思い浮かべる。

自信に満ち、飄々とした佇まい。

才能に恵まれ、周りの人々の賞賛を
一心に受けていた。

そんな兄に対し、ユーゴは
尊敬と同時に嫉妬心も覚えていたが……

由緒正しい神官家の跡継ぎに相応しい様子は
やはり弟として誇らしく、頼もしいと思った。

（……なのに……）

その相手は今、禁断の行為に耽っている。

実弟である自分を組み敷き、辱めて。

「ん……！」

熱のこもった息が肌を刺す。

「ああ…！！」

どうしてこんな事になってしまったのか……

何が兄を駆り立てたのか……

考えても答は出ない。

ただ、狂おしい程の欲望に巻き込まれてゆくだけだった。

「…っ、はぁ……」

ユーゴが再び零した吐息には、
諦めの色が混じっていた。