すな粉妄想日記

弟を抱くのは、これが初めてではなかった。

が、トールの心臓は緊張のあまり、
破裂しそうな程高鳴っていた。

「………」

ユーゴは何も言わず、
静かに目を閉じたままだ。

まだ少年の体は
繊細で、頼りなくて…

色気などとは無縁の筈なのに、
どうしてこうも情欲を駆り立てるのか。

罪悪感を感じつつも、
弟への欲望を抑え切れない。

幼い頃はそんな風に
感じた事などなかったのに…

下腹部が激しく疼き始め、
トールはたまらず呻き声を漏らす。

（ああ…、駄目だ）

「すまない…ユーゴ」

唇を落として、白い肌にそっと口付ける。

「…ん…」

ぴくり、と弟が反応した。

「……は、…」

微かに吐息が零れる。

華奢な手が肩を掴んで来た。

「兄…、さん…」

「ユーゴ…」

理性が欲望にかき消され、
トールは弟の体に溺れていく。

一度、始めてしまったら、
もう歯止めが利かない。

さながら獣のようだった。

「ん…、ああっ…！」

兄の激しい愛撫を、
ユーゴは素直に受け入れる。

背中を仰け反らせ、
嬌声をほとばしらせながら。

外で激しい雷鳴が轟く。

それは、天の怒りのように思われた。

兄弟で愛を交わす…
その深い罪を告発するかのような。