すな粉妄想日記

「ん…兄さん…」

唇を寄せると、ユーゴは
くすぐったそうな甘い声をあげた。

そのままきつく吸い上げて、
白い首筋に紅い跡をつける。

血の繋がった兄弟で体を繋ぐなど、
本来なら許される事ではない。

だが。

ユーゴは既に、最大の禁忌を犯しているのだ。

実の父親と交わるという…

だからといって、
自分の行動を正当化するつもりはない。

それどころか今、自分は父と同じ事をしようとしている…

父、カインがどんな風にユーゴを抱いたのか。

ユーゴは一体、どんな反応を父に見せたのか。

それを考えただけで、
どうしようもない嫉妬心が込み上げてくる。

身勝手にも程がある、と苦々しく思う。

嫉妬は、自分の為の感情だ。

自分が守ってやれなかったせいで、
弟はあんな酷い仕打ちを受けていたというのに。

激しい自責の念と嫉妬心、それに伴う自己嫌悪。

「…やっぱり無理だ」

苦悶の表情を浮かべながらトールは呻く。

「俺には…お前を抱く資格なんてない」