すな粉妄想日記

「大体あいつは、勝手すぎるんだ」

天才魔道師と称された少年は、
そう言って眉を釣り上げた。

エポナはおとなしく、
ユーゴの言葉に耳を傾ける。

「そもそも僕なんかより、あいつの方が
よっぽど優秀だったのに」

「へえ（なんか褒め始めたよ）」

「父上から聞いた話だと、
何をやらせても上手くこなしてたらしいじゃないか」

「ふんふん（煽ってるだけな気もするけど）」

「物覚えが良くて、足だって速くて」

「ほほ～（確かに足は速いよね）」

「しかもそれを少しも鼻にかけないし」

「謙虚なんだ（鉤爪のらしいなあ）」

「僕より早く寝ないくせに、
朝は絶対、先に起きてる」

「燃費がいいね（あんたは良く寝てそうだもんね）」

「父上のお土産のお菓子だって、
ほとんど僕に譲ってくれるし」

「それは単に自分がいらなかっただけじゃ（流石にツッコミたくなったよ）」

「違う！僕とあいつは、好物が全く一緒なんだ！！」

「………（うわお）」

こうして。

ユーゴの兄賛美は途切れる事無く続き、
エポナは笑いを堪えるのに、
果てしない労力を費やしたのだった。