すな粉妄想日記

「っ！！」

その瞬間、ユーゴの身体が大きく跳ねて
悲痛な叫びがほとばしった。

「っああぁっ！！…い、痛…っ！！」

トールが限界まで張り詰めていた自身で
強引に貫いたのだ。

指で多少はほぐされていたとはいえ、
それは経験のない弟にとって
あまりにも過酷すぎるものだった。

快感どころではなく
身を引き裂く痛みがユーゴを襲う。

「嫌、いやだ…！！あぁ…！！」

あまりの激痛に、必死にもがいて泣き叫ぶ。

それでもトールは容赦なく挿入を進める。

抑えきれない感情が胸の中でざわめく。

（俺の腕の中にいるのに）

顎を捉え無理矢理自分の方を向かせる。

涙で一杯の瞳が大きく見開かれて、
自分の姿を映し出す。

弟の身体で欲望を満たしている
兄の姿を。

トールは、呻くような声で弟に問う。

「父上に抱かれたのか」

「…！？」

なんという言い草だろうか。

望まない性交を強要した上、
他の男との関係を詰問するなど。

身勝手だと、判ってはいる。

しかし、胸に渦巻くこの黒い感情は
もう自分ではどうする事もできない。

ユーゴはどう答えて良いのか、
判らないようだった。

その目に微かな怯えの色が浮かんでいる。

「どうなんだ」

きつい口調で繰り返される問いに、
弟は弱々しく首を振って答えた。