すな粉妄想日記

分かりきった質問を、幾度も繰り返す。

それに対する弟の返事が、
自分の意に添わなかった事はない。

『今日は…帰らないって』

最早、合言葉のようなものだ。

『……そうか』

答える自分は一体、相手の目に
どんな風に映っているのか。

何食わぬ顔をしているつもりでも、
何の変哲もない会話をしているつもりでも……

身の内に滾らせた欲望を、
悟られているかもしれない。

つらつらと考えて、ふっと自虐の笑みが零れた。

なんて滑稽なのだろう。

もう…知られているというのに。

自分が、求めているという事を。

男としての情欲を満たすために、弟の体を……

隠す必要など、今更どこにもない。

『ユーゴ…！！』

抑えきれず、幾度となく行為に及んだ。

狂おしい程に求めて、貪り尽くした。

『兄さん……』

熱を帯びた瞳が切なげに訴えてくると、
瞬時に最後の理性も消え失せる。

何も考えられないまま、
強烈な快感の渦に飲み込まれてゆく。

『ああ…！！』

背徳の行為は繰り返され続ける。

父のいない家で…今夜も。