すな粉妄想日記

車の中は、我ながら
良い考えだとダレスは思った。

時間が遅いから送っていく…
そんな口実で連れ込む事ができる。

トールはこのところ忙しいので
帰宅時間はいつも遅い。

最近は日が落ちるのも早く、
外から車内を見られる心配も少ない。

人気のない場所まで行ってしまえば
誰かに知られる事はまずないだろう。

暗い車内でダレスは事に及んだ。

ユーゴの声は、予想以上に素晴らしかった。

仕方のない事とはいえ、
いつものくぐもったそれとは雲泥の差だ。

最初のうちは、どうにか声を出すまいと
懸命に耐えていたようだ。

艶めく吐息、押し殺した喘ぎ声。

それはそれで楽しめるが…

聞きたいのはそんなものではない。

今日は、いつもとは違う。

誰に聞かれてしまうかと、
気に病まなくても良いのだ。

ダレスは容赦なく、ユーゴの体を責め立てた。

弱いところは熟知している。

後ろを刺激した途端、
ユーゴは甘い悲鳴を上げた。

男の欲望を掻き立てるのに、
これ以上扇情的なものはない程の…

敏感な身の奥を虐める度、
心地良い声が耳をくすぐる。

まるで、上質なピアノを弾いているかのようだった。

ほとばしる嬌声に涙が交じり、
トールの名を叫んだ時には、
ダレスの劣情は頂点に達した。

いっそこのまま犯してしまおうかと、
本気で考えてしまったくらいだ。