すな粉妄想日記

はちみつをたっぷり塗ったトーストを
手渡してやると、ユーゴは嬉しそうに
顔を綻ばせた。

「ありがとう、兄さん」

そう言うと、夢中でそれを食べ始める。

可愛い外見通り、
ユーゴは甘いものが大好きだ。

なんて愛らしいのだろうか。

ちなみに父も甘いものが好きなようだが、
あの外見で甘党とは…。

はっきり言って似合わないぞ。

「兄さん」

弟の声にはっと我に返る。

いかんいかん。

つい見惚れてしまっていた。

「どうした、ユーゴ？」

優しく笑って答えると、
愛しい弟は首をかしげながら言った。

「兄さんは食べないの？」

「ん…ああ、そうだな」

正直、俺は甘いものが好きではない。

しかし、弟の好きなものを
拒否するような真似は断じてしない。

トーストに手を伸ばしかけてふと、
ユーゴの口の周りについたパン屑に
気がついた。

「ユーゴ…、行儀が悪いぞ」

これはチャンスだ。

「え？」

俺は弟を引き寄せ顔を近づけると、
舌でそのかけらを舐め取った。

「…ん、…」

ユーゴはくすぐったそうに身じろぎする。

その仕草がまた可愛らしい。

パン屑がなくなると、
そのまま唇にキスをした。

甘いはちみつの味がする。

愛しい、俺の弟…

俺のユーゴ。

絶対に、父になんか渡してやるものか。

俺はユーゴをきつく抱きしめて、
愛していると囁いた。