すな粉妄想日記

それから、しばらく経って…

トールは休暇で再び家へ帰って来た。

「おかえり、兄さん」

「ただいま、ユーゴ」

いつも通りの挨拶を交わす。

そのまま、お茶を飲みながら
他愛のない会話を始める。

トールはユーゴに訊かれるまま、
騎士団での生活を色々と語った。

兄の話にユーゴは興味深そうに耳を傾けた。

「それでな…その時、団長が…」

「はは…、兄さんらしいね」

今まで別々に過ごした時を埋めるように
兄弟は言葉を交わした。

しばらくして、会話が一段落した頃…

おもむろにユーゴが言った。

「ね、兄さん」

「ん？何だ」

少しの間を置いて続ける。

「この前、僕があげたプレゼントだけど…」

「！」

トールの顔にさっと緊張の色がよぎった。

「ちゃんと着てくれてる？」

「も、もちろんだ」

何故か背筋を伸ばして
兄は答えた。

「じゃあ…」

そこでユーゴは悪戯っぽい笑みを浮かべる。

「見せてくれよ」