すな粉妄想日記

「あのね…ユーゴ」

幼馴染が真剣な目をして言った。

いつものほほんとした彼とは
全く違う。

こんな表情、初めて見た……

ユーゴはいぶかしみながらも
次の言葉を待つ。

それは、まるで予想外の内容だった。

「君の事が好きなんだ」

「……は！？」

驚きのあまり、思わず口がぽかんと開く。

今、何て……

「ちょ、ちょっと待て」

頭の中を整理しようとこめかみを押さえる。

好き…と言うのはどういう意味だ？

好意を持っているという事だ。

とは言え自分だって、
目の前の幼馴染みには好感を抱いている。

しかし…しかしだ。

わざわざこんな風に告げてくるのは、
そういう類のものではない。

いくらユーゴでも、それくらいは分かる。

（だけど僕は…男だぞ？リコだって…）

実は女の子でした！！…とかか？

ありえない。

ユーゴは考えに考える。

ふと顔を上げると、幼馴染みは
先程とは打って変わって
にこやかに微笑んでいた。

「！？！？？」

ど、どういうつもりなんだ？

あんな告白をした後で……

「！！」

そして、気づいた。

今日が……
世間一般では「エイプリルフール」と
呼ばれる日である事を。