すな粉妄想日記

「…ユーゴ…っ！！」

叫び声を上げて跳ね起きると、
そこは自分の部屋だった。

窓の外はうっすらと明るく、
朝が近い事を示している。

（……夢…、か！？）

トールは頭を振って、
夢と現実の区別をつけようと試みた。

霞がかかったように
ぼんやりしていた頭の中が、
次第にはっきりしてくる。

そうだ…

自分は夢に驚いて、飛び起きたのだ。

背徳的で、官能的な夢…

弟と２番目の兄が

誰もいない居間のソファで

淫らな行為に耽っている

（……どうして）

夢と呼ぶには、あまりにも
生々しすぎるものだった。

トールはその映像を
否定するように、再びかぶりを振る。

（どうして俺は…、あんな夢を）

理由はおおよそ見当がついた。

昨日の出来事、今日のダレスとの会話。

『ダルクが、ユーゴに興味を持ったようだ』

しかし、本気でユーゴとダルクが
どうにかなっていると思った訳ではない。

あのユーゴが、そんな行為に走る筈が
ないではないか。

弟はまだまだ幼くて、子供なのだから。

とはいえ…

ありえない夢想は、トールの体に
強烈な刺激をもたらしたらしい。

（……）

下腹部が、熱く疼いている。

今にもはち切れんばかりに
昂ぶって、その存在を主張していた。

（うぅ…）

とてもそのままやり過ごせる状態ではない。

トールはきつく目を閉じて、
指先を自分の中心に伸ばした。