すな粉妄想日記

真剣な眼差しが、じっと見つめてくる。

僕と同じ色をした、深い深い碧の瞳。

零れ落ちる髪が触れそうになる距離。

お互いの鼓動もはっきりと聞き取れる位に、近い。

「……ユーゴ」

聞き慣れたはずの声が、
別人のもののように耳に響いた。

その唇がそっと、耳元に寄せられる。

僕は思わず身を竦ませた。

すると逞しい腕が伸ばされて、
優しく包み込まれる。

大きな手がゆっくりと背中を撫でていく。

僕を安心させようとしてくれているのだ。

「怖がらないでくれ」

僕はどうにか頷いた。

これから先に待っている行為の事を思うと、
逃げ出してしまいたい衝動に駆られる。

が、そんな僕の意思に反して
体は金縛りにあったように動かない。

いや…動けない。

これから、大きな罪を犯すというのに。

僕の全てがそれを受け入れようとしている。

たった一つ…理性だけを除いて。

しかし、それさえすぐに屈してしまうだろう。

今、僕を抱きしめている相手への愛情の前には…